昨日21日は磐梯山の銅沼(あかぬま)に、パークボランティアの皆さんと行ってきました。ビジターセンター正午の天気は晴れ、外気温17.8℃という日和でした。

標高900m~1200mの山岳地帯ですので、レインウエア上下始め、食料、水分、クマ鈴等はしっかり準備して臨みましょう。靴は、防水性のトレッキングシューズか登山靴、もしくは、ぬかるみがやや多いコースなのでサイズのあった長靴もいいです。また、詳しい登山地図と方位磁石も持参すると安心です。

↓ スタートは裏磐梯スキー場のゲレンデを登り始めます。

↓ まず迎えてくれたのは、美しく銀色に輝くススキの大群です。

スキー場の登行も終わりに近づくと、山頂へ向かう裏磐梯登山口のコースから分岐した、右の道を進みます。

↓ 右の銅沼への道は、背の高いススキの群れに隠れそうな細い道です。

道中、スキー場の頂上部にはあちこちにヤナギランの群落があります。
鮮やかな赤紫の花はもう終わっていますが、次世代の種子が綿毛とともに風に舞っていました。(↓)

さて、裏磐梯スキー場の一番上に来ると、もう明治の磐梯山の崩壊壁の底部(爆裂火口底)で、ほぼ平坦な道が銅沼に続きます。

↓ 銅沼の手前に、無名の沼と湿原が右手(大磐梯側)にあります。

↓ その次に銅沼(あかぬま)となります。絶景です!

銅沼のpHは、3.9と、やはり強い酸性でした。

銅沼で休憩後、一旦スキー場の上まで戻り、崩壊壁から磐梯山頂へ至る登山道を30分近く進み、見晴らしの良いところに向かいました。

↓ その途中の登山道の脇に見られる、神秘的なエメラルド色の沼です。

この沼は、銅沼の東側にあるもので、沼の水位が高いと銅沼とつながるのかもしれません。

さて、小高い尾根筋に出て、また絶景を楽しみました。(↓)

この櫛ケ峰から北に続く絶壁は、明治の磐梯山の山体崩壊で出現した、成層火山の断面を示しているものです。世界中の火山学の教科書に掲載されているとても価値の高いビューポイントです。

↓ 崩壊壁のアップです。

火山活動の変遷により、溶岩の層(柱状節理の縦のひび割れが見えるところ)、火山レキ・火山灰の層(ややレンガ色をした砂やレキのようなところ)、火砕流や火砕サージの層(細かいスジが見えるところ)と、堆積物の様子が違っているのが分かります。

↓ こちらは櫛ケ峰と向かい合っている大磐梯側です。

鋭い岩峰は天狗岩で、磐梯火山の火道(地下のマグマだまりと地表の噴火口の間のマグマの通り道)を埋めたマグマの固まったものが地表に現れたもので、硬い岩峰となってそそり立っています。

さて次に、道中に見られた花々を紹介します。

↓ ヤマハハコ

↓ シラタマノキ

↓ ノコンギク

標高が900m程度の低い所にのみ見られました。

↓ エゾオヤマリンドウ

この花は、スキー場の下部に見られました。

↓ スキー場に咲く花のまわりに多いミズゴケ

さて、スキー場のゲレンデにはいろいろな花が咲いていましたが、どの花のまわりにもミズゴケがびっしりと生え、湿原の状況でした。傾斜しているのに湿原となっているのは、地下から常に斜面に水が供給されているからで、このスキー場一帯は、明治の磐梯山の山体崩壊による岩なだれの主流が、小磐梯の斜面をえぐり取ってできたアバランシュ・バレー(岩なだれ谷;箱状谷とも言います)であることが思い起されます。

裏磐梯という特別に豊かな自然の大地を作った、張本人が磐梯山の銅沼周辺の地形です。NHKの人気番組「ブラタモリ」でも脚光を浴びたこの地を、皆さんもぜひ訪ねてみてください。

◇ターサン◇

※こちらの自然情報は、PDFファイルでもご覧いただけます。
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※裏磐梯はツキノワグマの生息域です。散策の際には、クマ鈴などでクマに人間の存在を知らせてあげてください。
また、近年、イノシシも裏磐梯に生息し始めました。十分注意しましょう。
どちらも目撃したら、ビジターセンターにお知らせください。
(電話:0241-32-2850)

※長靴、双眼鏡、クマ鈴をレンタルしています。料金等の詳細はお問い合わせください。