秋日和で快晴の10月14日、裏磐梯野鳥の森、桧原細野パノラマ探勝路を歩いてきました。正午のビジターセンターでの外気温は12.2℃とキュンと引き締まったさわやかな大気に包まれの散策でした。

このコース、標高1000mを越える尾根を歩きますが、おおむね道はなだらかで整備されており、軽登山といった感覚で楽しむことができます。

ただ、歩く人のまれな山道ですので、不測の事態となった場合は、すべて自らで対応しなければなりません。天気や気温の変化に応じた服装、レインウエア、行動食、飲料水などの装備が必要になります。また靴は防水性の登山靴かトレッキングシューズが一番安全です。また大型野生動物の生息数の特に多いところですので、クマ鈴で至近距離での遭遇を避けることも安全な山歩きにとって大切です。

さて、スタートは、裏磐梯野鳥の森の細野口から入ります。木道が整備されていますが、ところどころ傾いていて滑りやすい所もありますので注意して歩いてください。紅葉は、高木層はまだですが、低木やつる植物、ツタウルシ、ヤマブドウなどは赤くなっています。(↓)

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このあたりは、湿原や沼が多くあり、水鳥や水辺の鳥、湿地の鳥をよく見かける場所です。山に入る前に少し大きな沼があり、水面の彩りはいつも面白いところです。(↓)

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山道に入ると、ブナ、ミズナラ、トチノキ、ホオノキなどの森になります。東北南部の山地帯の典型的な樹相になります。夏はキビタキ、少し標高が高くなるとコルリやセンダイムシクイなどがとても多いところです。日本三大野鳥生息地のひとつである裏磐梯地域の中心的な場所がここ野鳥の森で、森の鳥が中心の他の生息地(軽井沢・富士山麓)と比べ、環境のバリエーションが大きく、この辺一帯で、水鳥、水辺の鳥、湿原の鳥、草原の鳥、森の鳥・・・が一度に見られるとても貴重な場所です。もっと大切にし、かつ誇りたい場所です。(↓)

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八森山(標高1150m)から続く稜線が近づき標高が高くなるにつれ、ブナの巨木が現れてきます。そして、探勝路に目を落とすと、カモシカのフンか?と見紛うようなブナの殻斗(栗の実のイガに当たるもの)が数多く敷き詰められています。

まるでウッドチップコースのよう。しかしこれらはみな昨年のもので、今年のものは見当たりません。ブナは不作の年のようです。(↓)

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ほとんど自然林なので倒木も多く、みごとなスギゴケに覆われたブナの倒木も見られました。(↓)

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今年の紅葉はかなり遅めで、森の高木はほとんどまだ緑ですが、目につくものには、さすがに秋を感じさせます。

こちらは豊かな森のシンボルのキノコ類で、落ち葉を持ち上げています。(↓)

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オオカメノキの変わった紅葉がありました。(↓)

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こちらは、展望台近くのブナの巨木。幹の下方はうろになっています。

クマが潜んでいないかなあ~・・・。

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クマはいませんでした。2歳のクマなら入れる大きさでした。親離れした2歳グマの最初の冬籠りに使用されるかも?!

さて、野鳥の森展望台につきました。裏磐梯のほぼ全容が見渡せるとっておきの絶景ポイントです。(↓)

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よく観察すると、小磐梯の裾野(裏磐梯スキー場と同じ標高のあたり)には、いわゆる流れ山地形はなく、裾野が終わったあたりから桧原湖東岸(写真で湖岸の左側)に流れ山地形がみられます。(↓)

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岩なだれが小磐梯の裾野をすべり台のようになだれ落ち、旧長瀬川(桧原川)の谷以北に堆積したことを示しています。

さて、展望台を後に桧原細野パノラマ探勝路に入ります。

展望台付近から桧原集落に北北西に延びるゆるやかな稜線をゆったり下りながら進みます。

ここは、見事なブナやミズナラの森で、森林浴、山野逍遥にはもってこいのすばらしいコースです。(↓)

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途中、西大巓方面が桧原湖越しに望めます。西大巓は標高1981mで、亜高山帯のアオモリトドマツやコメツガの常緑の針葉樹林に被われており、「黒い森」として望まれます。山地帯と亜高山帯の境界は標高1500m程度のところで、黒い森の直下が一番赤く見えます。

このことから紅葉前線のピークは、現在標高1400m程度と言えます。(↓)

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さて楽しい道も、桧原湖北部が大きく見えてくるとまもなく終わりになります。(↓)

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最後になって、やや急な下りが続きますが長くはありません。まもなく、湖岸を走る会津若松裏磐梯線の道路に出て探勝路は終わります。

魅力満載の野鳥の森・桧原細野パノラマ探勝路に皆さんもぜひ足を延ばしてください。紅葉や新緑のころ、それに真夏も森の中で涼しく、お薦めです。

◇ターサン◇

※こちらの自然情報はPDFファイルでもご覧になれます。ダウンロードはこちら(野鳥の森)とこちら(桧原パノラマ)

※裏磐梯はツキノワグマの生息域です。散策の際には、クマ鈴などでクマに人間の存在を知らせてあげてください。
また、近年、イノシシやサルも裏磐梯に生息し始めました。十分注意しましょう。
どちらも目撃したら、当センターにお知らせください。(電話:0241-32-2850)