初秋の気持ち良い気候の9月10日、レンゲ沼探勝路と中瀬沼探勝路を歩いてきました。ビジターセンター正午の外気温は、21.9℃と暑くもなく寒くもない爽やかな空気に包まれた巡視でした。

実際に歩く時は、この季節、天気が不安定で雷の発生もありますので、暑さ対策のほか、山地の急な天候変化に対応できる上下のレインウエア、山道を歩くのに好都合なトレッキングシューズ等を準備されて歩いてください。またクマ対策として、至近距離での遭遇を防ぐクマ鈴もぜひ準備してください。

さて、レンゲ沼探勝路から歩き始めましたが、ここは、バリアフリーの探勝路になっていて車イスでも通行可能なように、簡易舗装の平坦な道です。湿地にかかる木道も幅広くとても歩きやすいです。(↓)

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道端はもう秋の盛り、ヌスビトハギの実が特徴ある形を見せていました。(↓)

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また、あちこちに咲くノコンギクが秋らしい風情を見せていました。(↓)

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レンゲ沼を半周して、中瀬沼探勝路の方に歩を進めたら、やや薄暗い所にはミズヒキがたくさん風に揺れていました。昭和初期の抒情詩人、立原道造の好んだ植物で、とてもこの季節の風情を感じる植物です。(↓)
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さて、中瀬沼展望台の東屋に到着。よい天気に恵まれすばらしい展望が待っていました。(↓)

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真南に磐梯山が聳(そび)えています。山頂下の少し右に裏磐梯スキー場の草原が見えます。(↓)
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明治の磐梯山爆発で発生した大規模な山体崩壊による岩なだれの中心は、実はこの裏磐梯スキー場のある谷を削り出しながら、ほぼまっすく北に向かってこの展望台方面に流下したのです。

ですので中瀬沼周辺、桧原湖東岸周辺は、岩なだれの堆積地形である流れ山の起伏が他より一段と激しく、流れ山間の凹地形の沼沢地も多く、湖岸線もとても入り組んでいます。

中瀬沼展望台からは、それらのほとんどを景色として感じ取ることができるのです。磐梯山噴火を知るうえでの第一級のビューポイントです。(↓)
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展望台を後にして坂を下って北に向かうと、平坦な地形の森に入ります。(↓)

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森の樹相は、ほとんどが水辺を好むヤナギ・ハンノキ類で、樹木の根本は水辺になっています。ここも以前は沼だったところが湿性遷移により樹木が侵入してきた可能性があります。

途中の池で、ルリボシヤンマ属の雌が産卵をしていました。(↓)
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トンボの幼生はヤゴで水生生物です。水辺の特に多い裏磐梯地区は、トンボ類の宝庫と言えます。同様に幼生が水中生活をするカエル・サンショウウオ類もとても多いです。

さて、またレンゲ沼方面に戻りオオヤマザクラの多い森に来たら、枝が不自然に折れ、葉が枯れている木がいくつか見られました。どうもツキノワグマの仕業のようです。実際、7月から8月上旬にかけて、このあたりでのクマの目撃情報が何件かありました。(↓)

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レンゲ沼まで戻ったら沼の中にアオサギと白鷺がエサを探していました。白鷺には、コサギ、チュウサギ、ダイサギの3種がいるのですが、この白鷺、アオサギに近い大きさ、黄色で長いくちばしの様子から、どうもダイサギのようです。裏磐梯での記録はかなり少ないようです。(↓)

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最後に、休暇村裏磐梯から白樺橋に向かう砂利の車道に近い、中瀬沼探勝路の北の出口近くにある松野自得・加寿女夫妻の句碑を紹介しておきます。(↓)

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左の大きな自然石に自得の「桧原湖は/暮れて磐梯/月に聳つ」、右の小さな石には加寿女の「ありあけの/夢はむらさき/ほととぎす」と彫られています。

皆さんも、歩きやすく、裏磐梯探勝に欠かせないレンゲ沼・中瀬沼探勝路をぜひ歩いてみてください。

(※中瀬沼探勝路の地図のなかには、休暇村から桧原湖への車道に出る探勝路出口が2本あるように書かれたものがありますが、実際は白樺橋に近い道は廃道となっており通れませんので注意してください。)

◇ターサン◇

※こちらの自然情報はPDFファイルでもご覧になれます。ダウンロードはこちら

※裏磐梯はツキノワグマの生息域です。散策の際には、クマ鈴などでクマに人間の存在を知らせてあげてください。
また、近年、イノシシやサルも裏磐梯に生息し始めました。十分注意しましょう。
どちらも目撃したら、当センターにお知らせください。(電話:0241-32-2850)